漢方と薬膳の違い|東洋医学の考え方

薬膳の基本

「漢方」と「薬膳」どちらもよく耳にする言葉ですが、それぞれ役割が全く違うんです。

共通しているのは「体質を整えて、自然と調和しながら健康を育てる」という東洋医学の考え方に基づいていることです。

これから漢方と薬膳の違いについて詳しく説明していきます。

漢方とは

漢方というと、苦くて独特の匂いがする「漢方薬」を思い浮かべる方も多いいでしょう。しかし、漢方は、漢方薬だけではなく、鍼灸、気功、薬膳、養生などさまざまな技術を統合したものです。いずれも日本の文化に根づきたいへん人気があるものですが、これらは全て「漢方」の一種なのです。

また、漢方を中国の伝統的な医療技術と理解している方も多いいですが、これは漢方と中医学を混同してしまっているケースです。たしかに漢方は、生薬、鍼・灸、気功など中国古来の伝統医療技術をベースにしていますが、日本で独自の進化、発展を遂げています。漢方は、人と自然の調和が取れている状態を理想とし心身のバランスの崩れを治していく民間医療技術です。

薬膳とは

薬膳とは、漢方の理論に基づき、食材が持つ作用を組み合わせた食事のことです。春夏は暖かく、活発な陽気が盛んになり、身体の中には暑さが溜まります。秋冬は寒さに向かい身体も沈静化し身体の中には寒さが溜まります。それぞれの季節に合わせて、春夏には身体を涼しくし「水」や「気」を補うものを食べ、秋冬には身体を温め「気・血」の流れをよくして栄養を補うものを摂ることによって常にバランスの取れた身体の状態を維持していきます。この食生活こそが自然界に逆らわずに人間も自然界の一部とし生きていく秘訣です。

現代は季節感がなくなり、同じ食べ物がいつでもどこでも手に入る時代になりました。だからこそ季節に合わせて変化する自分自身の身体の声を聞き取り、食べるものを選ぶことが大切になってくるのです。食材には様々な作用があります。食材の作用をうまく利用し、疫病の予防、治療、老化防止になる食養生を始めましょう。

まとめ

漢方と薬膳はどちらも東洋医学の知恵から生まれた健康法ですが、漢方は”治療として使う薬”、薬膳は”日々の食事で身体を整える方法”という大きな違いがあります。

薬でしっかり不調を改善したいときは漢方を。毎日の食事で緩やかに体質を整えたいときは薬膳を。目的によって上手に使い分けることで体はもっと楽になります。

そしてどちらにも共通しているのは「自分の体質を知ることが健康への近道」という考え方。気・血・水のバランス、季節による変化、生活リズムなどを意識しながら自分の状態に合った選択をしていくことが大切です。

今日からできる小さな工夫でも、体は確実に応えてくれます。食材の選び方を少し変える、温かい飲み物を意識する、季節に合ったケアを取り入れる。そんな積み重ねが”未病を防ぐ力”に繋がります。

漢方と薬膳は、どちらもあなたの生活を支える心強い味方です。無理なく続けられる方法を見つけて、日々の生活に取り入れていきましょう。