体質別、薬膳の取り入れ方

体質・お悩み別薬膳

気虚体質(「気」が足りず体力が落ちている)

人間の活動のエネルギー源である「気」。この「気」の量が不足しているのが「気虚」体質です。気は、食べ物が胃腸で消化吸収されて作られます。気虚体質は胃や腸が弱く消化吸収機能が低下しているため上手に気が作れない状態のこと。過労も気虚の原因となります。その結果、風邪などのウイルスに対する抵抗力も落ちてしまいます。胃腸を冷やす食べ物や消化しにくい生ものは、できるだけ避けるようにしましょう。また、食べ過ぎも禁物、温かく消化の良いものを適度に食べるようにしましょう。

おすすめ食材
なつめ、高麗人参、生姜、かぼちゃ、枝豆、キャベツ、じゃがいも、ぶどう、いちじく、アジ、カツオ、うなぎ、牛肉、豚肉、鶏肉、蜂蜜、ココア、麦茶
養生法
身体を温める食材を中心に、規則正しくよく噛んで食べる。早寝早起きを習慣にし、休息を十分にとる。ヨガや気功などのゆったりとした運動がおすすめ。

血虚体質(「血」が不足し体が栄養不足になっている)

「血虚」は体のさまざまな部位に栄養を行き渡らせる「血」が不足した体質です。肌荒れや抜け毛、爪が欠けたり、こむらがえりといった不調が起こりがちで集中力の低下や不眠のほか精神的にも不安定になりやすくなります。女性は生理があるため、男性よりも血虚になりやすいと言われています。また、血虚の状態が慢性化すると妊娠しにくくなる可能性があるので要注意。食事の偏りや無理なダイエット、寝不足や過労は血が不足する大きな要因となるので注意しましょう。

おすすめ食材
ごま、なつめ、黒米、黒豆、小豆、枝豆、ほうれん草、青梗菜、人参、ブドウ、くり、イワシ、かき、いか、羊肉、卵、牛乳、紅茶
養生法
鉄分の多い食材を意識して食べ、適度にレバーなど肉類を摂る。赤い食材、黒い食材、ナッツ類やドライフルーツも良い。長風呂や熱い風呂は避けましょう。

気滞体質(「気」の流れが悪くなって不調を起こす)

体や心がストレスを受けると気の流れが悪くなって滞り、気滞体質に陥ります。喉が詰まったりお腹や胸が張るといった症状のほか眠れない怒りっぽくなるといった精神的な不調が現れやすくなります。ゆっくりと休養をとってストレスを上手に発散すれば、気の巡りは良くなります。また、薬味やハーブ、スパイスには気の流れを促す効果があるのでおすすめです。なお、気滞の状態を放置していると気と共に体内を巡る血と津液の流れも悪くなりがちです。早めに対処しましょう。

おすすめ食材
陳皮、ジャスミン、ミョウガ、そば、ピーマン、とうもろこし、オクラ、サヤエンドウ、春菊、桃、みかん、クラゲ、のり、ひじき、酒、味噌、酢
養生法
香りの良いものや辛味のあるものを摂るようにする。カルシウムなどのミネラル類も補給しましょう。身体を動かすなどして、ストレスを発散したり、アロマテラピーなどでリラックスするのも良いでしょう。

瘀血体質(「血」の流れが滞って汚れが溜まっている)

血液そのものと血液が運ぶ栄養素や酸素、ホルモンなどを含めた「血」の巡りが悪くなったり、汚れが溜まって滞っている体質を指します。「瘀血」の原因はストレスや冷えが多く、更年期でホルモンバランスが乱れても起こりやすくなります。また、生理や閉経、妊娠、出産は全て血の機能に関わっているため、女性は瘀血になりがちなので気をつけましょう。ストレスを溜めないように趣味や運動で発散しましょう。身体を冷やす冷たいものの摂りすぎや薄着も控えて身体を温めることが大切です。

おすすめ食材
紅花、にんにく、ウコン、黒豆、小豆、大豆、とうもろこし、里芋、黒キクラゲ、ブルーベリー、もも、カツオ、たら、酒、酢、烏龍茶、ジャスミン茶
養生法
身体を温めて血行を良くする、ニンニクなどの辛味のある薬味や野菜を食べましょう。調味料は酒がおすすめです。身体を冷やさないよう、夏場の冷房にも気をつけましょう。ストレッチなどで、骨盤周りの血行を促すといいでしょう。

陰虚体質(「陰」の気が足りず、潤い不足になっている)

陰虚体質は、体に潤いをもたらす「陰」の気が足りず、体内の津液も少ない体質です。陰の気は歳をとるごとに減るため、更年期が近い40歳以降によく見られます。寝汗をよくかき喉や口、目が乾きやすく、血液中の水分も少なくなって血液がドロドロになりやすいのが特徴です。秋の乾燥に弱く咳が出たり乾燥肌になりがちです。体に潤いを与える、陰を補う食べ物を積極的に摂りましょう。十分な睡眠をとることも大切です。ストレスや疲労、喫煙なども陰の気を減らす原因となるので注意しましょう。

おすすめ食材
松の実、黒胡麻、白胡麻、豆腐、トマト、キクラゲ、白菜、山芋、なし、りんご、かに、昆布、豚肉、卵、チーズ、蜂蜜、オリーブオイル
養生法
辛味が強いからしや胡椒、ニンニクや生姜などの薬味は控え、果物など甘味で酸性の食べ物を多く摂る。また、ストレスを溜め込まないようたっぷりと睡眠をとり早寝早起きを心がけましょう。

陽虚体質(「陽」の気が少なく体が冷えている)

身体を温める「陽」の気が足りないのが「陽虚」です。体が冷えやすく、そのために腰や関節に痛みを感じたり、下痢をしやすいなどの症状があります。寒さに弱くて冬になると不調になりがちです。寝ても疲れがとれません。やる気が出ず、声に力がないといった特徴があり、体がむくんだり、尿の量が少ないといった症状も見られます。夏場で身体を冷やさないように注意し、胃腸を冷やす生ものや冷たいもの、脂っこいものや消化しにくい食べ物は控えましょう。塩分も控えることを心がけましょう。

おすすめ食材
生姜、ナツメグ、シナモン、唐辛子、よもぎ、ねぎ、らっきょう、さくらんぼ、さば、うなぎ、えび、牛肉、鶏肉、紅茶
養生法
身体を温める生姜やシナモンなど積極的にとり、体を冷やすものは避けましょう。冷たい食べ物はできるだけ温めて食べる、日光を浴びて散歩をするなど陽の気を高めましょう。

水毒体質(「水」の代謝が悪く体内に水分が溜まっている)

津液の代謝が悪くて、体内に水分が溜まった体質です。水分の代謝には、脾、肺、腎臓が関係していますが、特に腎臓の働きが低下していると水分が体に溜まりやすくなってしまいます。また、肺と脾に異常があるとむくみや喘息などの症状も現れてきます。脾、肺、腎の働きを正常にするために気を巡らす作用のある食材をとりましょう。さらに水分代謝をよくする食材で不要な水分を大概に排出します。この体質の人は、冷え性の場合が多いので、身体を温めるものをとり、運動をして代謝を上げましょう。

おすすめ食材
陳皮、緑豆、生姜、はと麦、小豆、大豆、なす、ブドウ、スイカ、はまぐり、クラゲ、鴨肉、味噌、酢、プーアル茶、麦茶
養生法
水分を摂りすぎないようにし利尿作用の高いはと麦などの食材を食事に取り入れる。身体を温める食材もおすすめです。階段の上り下りや自転車漕ぎなどの運動で汗をかく習慣を作りましょう。

陽熱体質(ストレスなどで体に「熱」がこもっている)

ストレスや飲酒、カロリーの高い食事などで体に熱がこもり、不調になっている体質です。ストレスにより、肝がダメージを受け、この状態が続くと脾や胃も弱くなり、心にも影響を及ぼすようになります。放置すると、胃腸炎などの消化器系の病気や脳卒中、心筋梗塞などの循環器系の病気に陥る恐れがあります。まずは、飲酒を控え、カロリーの高い食事をやめましょう。涼性、寒性の野菜をたくさん食べて体の余分な熱を取り除いたり、気の巡りをよくする食材を摂るなど、食生活から見直しましょう。

おすすめ食材
緑豆、はと麦、小豆、豆腐、いちご、バナナ、アサリ、カニ、昆布、鴨肉、チーズ、醤油、味噌、緑茶、麦茶
養生法
味の濃いもの、カロリーが高いものは控える。体のねつをとるセロリ、茄子、きゅうりなどの野菜を食べましょう。食べ過ぎ、飲み過ぎには気をつけましょう。ストレス発散は運動で汗を流すのがおすすめです。

まとめ

8つの体質別の解説と食材、養生法をまとめましたが皆さんは自分に合った対処法がわかりましたか?体質ごとに簡単に説明はしていますが、もっと詳しく知りたい方は「〇〇体質」で調べてみてください!食材だけではなく簡単に作れるレシピも紹介しています。自分に合った食材を取り入れることが薬膳です。少しの工夫で毎日を健康に過ごしましょう!

どんな体質でも一番大事なのは食事と睡眠!まずは日頃の生活習慣から見直していきましょう。

睡眠で大切なことは時間もですが「質」です。睡眠の質を良くするために自分に合う寝具を見つけ、寝る前の激しい運動やスマホ(ブルーライト)などをやめましょう。

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