薬膳の世界で「高麗人参(こうらいにんじん)」は、“気”を補う代表的な食材として知られています。古くから「百の薬に勝る」と言われ、疲れ・冷え・集中力低下など、体のエネルギー不足を感じるときに欠かせない存在です。今回は、高麗人参の特徴や普通の人参との違いを含めて詳しく紹介します。
高麗人参とは?
高麗人参は、ウコギ科の多年草「オタネニンジン」の根を乾燥させたものです。主に中国・韓国・日本で栽培され、滋養強壮や疲労回復に古くから重宝されています。薬膳では、気を養う補気薬の王様とも呼ばれます。
高麗人参と普通の人参の違い
| 比較項目 | 高麗人参 | 普通の人参(根菜) |
|---|---|---|
| 分類 | ウコギ科オタネニンジン属 | セリ科ニンジン属 |
| 主な働き | 気を補い、全身のエネルギーを高める | 体を温め、ビタミンやβカロテンを補う |
| 味・性質 | 微苦・甘/性は温 | 甘/性は温 |
| 使われ方 | 薬膳スープ、煎じ茶、漢方薬 | 日常の料理(煮物・炒め物など) |
つまり、普通の人参が「日々の栄養を補う野菜」なら、高麗人参は「体のエネルギーを根本から立て直す薬草」といえます。
高麗人参の性質と味
- 五性:温
- 五味:甘・微苦
- 帰経:脾・肺・心
体を内側から温め、胃腸や肺を中心に全身の気を補います。寒がり・疲れやすい・気力が出ないといった人に向いています。
主な効能
- 気を補う:疲労回復・集中力の維持・免疫力の向上に役立ちます。
- 心を安定させる:ストレスや不眠、イライラを和らげる効果も。
- 血を養う:貧血や顔色の悪さ、冷えの改善にも有効とされています。
日常への取り入れ方
高麗人参は、乾燥根やスライス、粉末などで販売されています。使い方の一例として──
- 高麗人参茶:スライス1〜2枚を熱湯で5〜10分蒸らし、はちみつを少し加えると飲みやすくなります。
- 薬膳スープ:鶏肉やなつめ、クコの実と一緒に煮込むと、滋養スープに。
- 粉末タイプ:ヨーグルトやスムージーに少量混ぜても◎。
注意点
高麗人参は体を強く補う力があるため、体に熱がこもりやすい人・発熱中・高血圧の人は摂りすぎに注意が必要です。体質に合わない場合は、専門家に相談してから使いましょう。
まとめ
高麗人参は「元気をつくる食材」の代表格。普通の人参と違い、エネルギーそのものを底上げする力を持ちます。疲れが抜けない、気力が出ないというときに、日常の薬膳として上手に取り入れてみましょう。
自然の力で、心と体にもう一度「気」を灯す。

