ほうれん草(菠薐草)は、冬から春にかけて旬を迎える生命力あふれる野菜。 薬膳の考え方では、「血を補い、体を潤す」食材として重宝されてきました。 体の内側から美と健康を整えるこの野菜は、まさに自然がくれた“緑の薬”ともいえます。
薬膳的効能と特徴
ほうれん草には、穏やかに体を整える「甘味」と、熱を鎮める「涼性」の性質があります。 そのため、血が不足している人、乾燥しやすい人、のぼせやすい人に特に向いています。
- 補血(ほけつ):貧血やめまい、顔色の悪さを改善し、血を養う。
- 潤燥(じゅんそう):乾いた肌や喉、便秘の改善に役立つ。
- 清熱(せいねつ):体の余分な熱を鎮め、のぼせや口の渇きを防ぐ。
東洋医学的分類
・性質(性):涼性(熱を冷ます)
・味:甘(穏やかに補う)
・帰経(作用する臓腑):肝・胃・大腸
「肝」に働いて血を養い、「大腸」を潤して通便を助けます。 その結果、血の巡りや肌の状態を改善し、心身のバランスを整える効果が期待できます。
現代栄養学から見たほうれん草
現代の栄養学でも、ほうれん草は鉄分、葉酸、β-カロテン、ビタミンC、マグネシウムなどの宝庫です。 これらは造血を助け、免疫力を高め、抗酸化作用によって細胞の老化を防ぎます。 特に女性に多い貧血・冷え性・肌荒れのケアに最適です。
おすすめの食べ方と組み合わせ
ほうれん草は体を冷やす性質があるため、温かい料理で取り入れるのがおすすめ。 温性の食材と組み合わせると、薬膳的バランスがさらに整います。
- 胡麻和え:黒胡麻と合わせて「血と潤い」をダブルで補う。
- 卵とスープ:ほうれん草の冷やす性質を和らげ、胃腸を温める。
- にんにく炒め:冷えを防ぎながら、吸収率を高める組み合わせ。
調理と栄養のコツ
ほうれん草に含まれるシュウ酸は、下茹でして水にさらすことで除去できます。 また、油脂類と一緒に摂ることで、脂溶性ビタミンAやEの吸収が高まり、 美肌効果や抗酸化作用をより引き出せます。
おすすめの食材ペア
- 黒胡麻:肝と腎を養い、髪や肌の乾燥を防ぐ。
- なつめ:血を補い、心を穏やかに保つ。
- 鶏肉:冷えを緩和し、体を温めて代謝を促す。
まとめ
ほうれん草は、血を補い、体を潤す万能な薬膳食材。 冬は温かく調理して内側からポカポカに、春はデトックスの一部としてさっぱりと。 季節や体質に合わせて取り入れることで、自然と調和した健やかな暮らしを支えてくれます。

