とうもろこし|余分な湿を晴らす“夏の健脾食材”

食材辞典

甘く香ばしい香りと、ぷちっとした食感が楽しいとうもろこし。 薬膳では「脾(ひ)を補い、湿(しつ)を取り除く」穀物として知られています。 湿度の高い日本の夏にぴったりの食材で、体にたまった余分な水分を排出し、 胃腸の働きを助けてくれる自然の力があります。

薬膳的効能と特徴

とうもろこしは、五穀の一つとして古くから食養生に用いられてきました。 薬膳的には「健脾利湿(けんぴりしつ)」と呼ばれるはたらきがあり、 食欲不振やむくみ、だるさなど“湿”による不調の改善に効果的です。

  • 健脾(けんぴ):胃腸を整え、消化吸収を高める。
  • 利水(りすい):体内の余分な水分を排出し、むくみを改善。
  • 和中(わちゅう):お腹を穏やかに整え、疲れをとる。

東洋医学的分類

・性質(性):平性(冷やしも温めもしない穏やかさ)
・味:甘(緊張をゆるめ、エネルギーを補う)
・帰経(作用する臓腑):脾・胃・膀胱

「脾胃(ひい)」は食べ物をエネルギーに変える要の臓腑。 湿度が高いとその働きが低下しやすく、食欲不振や倦怠感を引き起こします。 とうもろこしはそんな時にやさしく働きかけ、内側から体を整えてくれる穀物です。

現代栄養学から見たとうもろこし

とうもろこしは炭水化物を主成分に、ビタミンB群・食物繊維・カリウムを豊富に含みます。 エネルギー補給をしながら、腸内環境を整え、むくみを防ぐミネラルバランスが整っています。 また、皮の部分にはポリフェノールも多く、抗酸化作用によって夏の疲労回復にも役立ちます。

おすすめの食べ方と組み合わせ

夏の湿気やだるさが気になるときは、とうもろこしを主食やスープに取り入れてみましょう。 皮やひげにも利尿作用があるため、薬膳茶やスープに加えるのもおすすめです。

  • とうもろこしご飯:健脾・利湿の定番。優しい甘みで食欲がない日にも。
  • とうもろこしスープ:体にたまった湿を取り除き、胃腸をサポート。
  • ひげ茶(南蛮毛茶):とうもろこしのひげを乾燥させて煮出すと、むくみ解消に。

おすすめの組み合わせ食材

  • はとむぎ:利湿作用が高まり、むくみ対策に最適。
  • 枝豆:たんぱく質と気を補う組み合わせで、夏バテ防止に。
  • 陳皮(ちんぴ):胃腸の働きを助け、湿気による重だるさを改善。

注意点

穏やかな性質ですが、冷たい状態で食べすぎると胃を冷やすことがあります。 茹でたあとに温かいまま食べる、または常温で取り入れるとより薬膳効果が高まります。

まとめ

とうもろこしは、湿気の多い季節にぴったりの“健脾利湿”食材。 やさしい甘みで気を補いながら、体の重だるさやむくみをすっきり整えてくれます。 毎日のごはんに自然な形で取り入れられる、心強い薬膳穀物です。